「一日葬」と「家族葬」。近年、葬儀の形式としてよく耳にするこの二つの言葉は、しばしば混同されがちですが、その意味するところは全く異なります。この違いを正しく理解することは、自分たちが望むお別れの形を選択する上で非常に重要です。まず、「一日葬」とは、葬儀を執り行う「日数(スケジュール)」に関する分類です。前述の通り、通夜を行わずに、告別式から火葬までを一日で済ませるという、時間的な形式を指します。一方、「家族葬」とは、葬儀に参列する「人(規模)」に関する分類です。一般の弔問客は招かず、故人の家族やごく近しい親族、親友といった、限られた人々だけで故人を見送るという、小規模な葬儀のスタイルを指します。つまり、「一日葬」が時間軸での分類であるのに対し、「家族葬」は人間関係の軸での分類なのです。この二つは、全く別の概念であるため、組み合わせることも可能です。例えば、「参列者を家族だけに限定し、かつ、通夜を行わずに一日で済ませる」という場合は、「一日葬形式の家族葬」となります。これが、近年最も増えているコンパクトな葬儀の形の一つです。また、逆に「参列者は家族だけだが、通夜と告別式はきちんと二日間かけて、ゆっくりとお別れをしたい」という場合は、「二日間の家族葬」となります。あるいは、「一般の弔問客も受け入れるが、通夜は行わず、告別式のみの一日葬にしたい」という場合は、「一日葬形式の一般葬」という形になります。どちらも「葬儀を簡略化したい」というニーズから選ばれることが多いですが、その目的が「時間の短縮」なのか、「規模の縮小」なのかによって、選択すべき形式は変わってきます。自分たちが最も重視するのは何か、遺族の負担をどの部分で軽減したいのかを明確にすることが、最適な葬儀形式を見つけるための第一歩です。