花を贈る時、その花が持つ花言葉に想いを託すことがあります。葬儀に際して蘭の花を贈る、あるいは祭壇に飾られた蘭の花を見る時、その花言葉を知ることで、故人への想いはより一層深く、豊かなものになるかもしれません。まず胡蝶蘭の花言葉は、純粋な愛、清純です。葬儀で最も多く用いられる白い胡蝶蘭。その花言葉は、まさに故人への追悼の気持ちを表現するのにふさわしいものです。純粋な愛という言葉は、家族や友人、恋人といった、故人を深く愛した人々のかけがえのない想いを代弁してくれます。そこには、見返りを求めない、ただひたすらに相手を想う、清らかな愛情が込められています。また、清純という花言葉は、故人の汚れなき人柄や、高潔な生き様を称える気持ちを表します。純白の花びらのように、清らかな魂が天へと昇っていくように、という願いを込めて、この花は捧げられます。次にシンビジウムの花言葉は、飾らない心、誠実な愛情、高貴な美人です。上品で落ち着いた佇まいのシンビジウムは、その花言葉もまた、故人の人柄を偲ぶのに適しています。飾らない心は、生前、実直で、裏表のない人柄だった故人を思い起こさせます。誠実な愛情は、家族や友人に対して、常に誠実に向き合ってきた故人への感謝の気持ちと重なります。派手さはないけれど、確かな存在感で人々を魅了するシンビジウムの姿は、まさにそんな誠実な人柄の象徴と言えるでしょう。最後にデンファレの花言葉は、お似合いの二人、わがままな美人、有能です。可憐な花を咲かせるデンファレの花言葉は、少し華やかで、直接的に弔意を表すものではないかもしれません。しかし、例えばお似合いの二人という花言葉は、夫婦のどちらかを亡くされた際に、遺された方が本当に仲の良い夫婦だったと、二人の絆を偲ぶきっかけになるかもしれません。もちろん、葬儀の場で花言葉を声高に語ることはありません。しかし、供花として蘭を選ぶ際に、故人の人柄に思いを馳せ、そのイメージに合った花言葉を持つ蘭を選ぶという、密やかな想いの込め方もあるのです。そして、祭壇に飾られた一輪一輪の蘭に、贈り主のそうした深い想いが託されているのだと知る時、私たちの故人への追悼の念は、より一層、心に響くものとなるでしょう。
蘭の花言葉に込める故人への想い