葬儀が無事に終わり、少し落ち着いた頃、遺族が向き合うことになるのが、祭壇を飾っていたたくさんの供花、特に鉢植えでいただいた蘭の扱いです。故人を偲んで贈られた大切な花だからこそ、最後まで丁寧に扱いたいものです。ここでは、葬儀後にいただいた蘭の花の、その後の一般的な扱い方について解説します。まず、最も一般的な方法は、親族や、葬儀でお世話になった方々へお裾分けとしてお渡しすることです。葬儀が終わった後、あるいは火葬場から戻った後などに、故人の供養になりますので、よろしければお持ち帰りくださいと声をかけ、それぞれに持ち帰っていただきます。特に、遠方から来てくださった親族や、受付などを手伝ってくれた方へ、感謝の気持ちとしてお渡しするのは非常に良い習慣です。これにより、故人を悼む気持ちを多くの人と分かち合うことができます。次に、お裾分けした上で、まだ手元に残った蘭の鉢植えを自宅で育てるという選択肢です。胡蝶蘭は育てるのが難しいというイメージがあるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえれば、家庭でも十分に楽しむことができます。まず、置き場所は、直射日光の当たらない、レースのカーテン越しの明るい室内が適しています。水やりは、鉢の表面の水苔やバークが完全に乾いてから、コップ一杯程度の水を与えるのが基本です。水のやりすぎは根腐れの原因になるため、注意が必要です。上手に管理すれば、翌年も美しい花を咲かせてくれる可能性があります。故人が残してくれた蘭の花を、毎年咲かせる。それは、故人を偲ぶ、とても素敵な供養の形と言えるでしょう。しかし、様々な事情で自宅で育てることが難しい場合もあると思います。その場合は、無理に持ち帰る必要はありません。葬儀社によっては、供花の後片付けの一環として、残った花々を引き取ってくれる場合があります。また、もし菩提寺があれば、お寺に相談し、本堂などに飾ってもらえないか尋ねてみるのも一つの方法です。大切なのは、贈ってくださった方の気持ちと、故人への想いを無にしないことです。故人が繋いでくれたご縁に感謝し、最後まで丁寧に扱うこと。それが、故人に代わって遺族ができる、最大限の礼儀と言えるでしょう。
葬儀後にいただいた蘭の花の扱い方