葬儀に贈る蘭の花といえば、純白の胡蝶蘭が定番です。しかし、生花店にはピンクや黄色、あるいはリップに色がついた胡蝶蘭など、美しい色合いのものがたくさん並んでいます。故人はピンクが好きだったから、ピンクの蘭を贈ってあげたいという気持ちが湧くこともあるでしょう。果たして、白以外の色の蘭を葬儀に贈ることは、マナー違反にあたるのでしょうか。結論から言うと、原則としては白を選ぶべきだが、状況によっては許容される場合もあるというのが答えになります。まず、原則として、葬儀や法事といった弔事の場では、白が基本の色とされています。白は清浄無垢や神聖さを象徴し、故人の魂を清らかに送り出すという想いを表現する色です。そのため、どのような間柄の相手であっても、どのような形式の葬儀であっても、白い蘭を選んでおけば間違いはありません。特に、会社名義で贈る場合や、伝統を重んじるご家庭の葬儀など、フォーマルさが求められる場面では、必ず白を選ぶべきです。では、どのような場合に白以外の色が許容されるのでしょうか。それは、故人やご遺族との関係性が非常に近く、その意向が明確に分かっている場合に限られます。例えば、故人が生前から私の葬式は、湿っぽくせず、好きだったピンクの花でいっぱいにしてほしいと遺言を残していたり、ご遺族から直接母は黄色が好きだったので、ぜひ黄色いお花をとリクエストされたりした場合です。また、最近増えている無宗教葬やお別れの会といった、比較的自由な形式の葬儀では、故人の人柄を表現するために、あえてカラフルな花々で祭壇を飾ることもあります。このようなケースでは、白以外の蘭も受け入れられやすいでしょう。最も重要な注意点は、贈り主が勝手な判断で色付きの蘭を贈らないということです。良かれと思ってしたことが、ご遺族の意向に反していたり、葬儀全体の統一感を損なってしまったりしては、本末転倒です。もし白以外の蘭を贈りたいと考えるのであれば、必ず事前にご遺族、あるいは葬儀を執り行っている葬儀社に相談し、許可を得るようにしてください。その確認の一手間が、あなたの深い思いやりを示すことになります。
葬儀の蘭、白以外の色はマナー違反?