格式高い葬儀や、少し時間に余裕のある法要の場合、往復ハガキや返信ハガキによる出欠確認が行われることがあります。このハガキの書き方には、日本独自の美しい礼儀作法が凝縮されています。まず、ハガキが届いたら、どんなに忙しくても2日以内には投函するのが鉄則です。返信の際の最も基本的なマナーは、自分に対する敬称を消すことです。「御出席」の「御」や、「御芳名」の「御芳」を二本線で消します。このとき、二本線ではなく「寿」という字で消すのは慶事の作法ですので、弔事では絶対に避け、単純な二本線、あるいは「斜線」で消すようにします。また、宛名の「行」を「様」に書き換えることも忘れてはいけません。余白部分には、必ず手書きで一言お悔やみのメッセージを添えます。印刷された出欠の選択肢に丸をつけるだけでは、あまりにも味気なく、故人への思いが欠けているように見えてしまいます。「この度は突然のことで驚いております」「ご生前のお姿を偲び、謹んで参列させていただきます」といった短い一文を、丁寧な字で書き込みましょう。欠席する場合も同様に、「あいにく都合がつかず、お見送りできませんこと、心苦しく存じます」といった一言が、ハガキを通じた心の交流を生みます。筆記具は、本来は薄墨の毛筆や筆ペンが望ましいですが、最近では黒の万年筆やボールペンでも失礼にはあたりません。ただし、鉛筆や消せるボールペン、あるいはカラフルなインクは厳禁です。真っ黒なインクで、一筆一筆に魂を込めて書きましょう。ハガキという物理的な媒体は、相手の手元に残り、後で何度も見返されるものです。丁寧な字で書かれたハガキは、それだけで遺族の心を癒やす力を持っています。デジタル全盛の時代だからこそ、こうしたアナログな返信における作法を完璧にこなすことは、あなたの教養と誠実さを際立たせることになります。ハガキをポストに投函するその瞬間、あなたは故人との最後の約束を交わしているのです。その重みを感じながら、指先に意識を集中させて、美しい返信ハガキを作成してください。それが、去りゆく者への最高の礼儀となります。
葬儀の出欠確認ハガキを返送する際の書き方と作法